- AMZFAST AMZG34C5Q Proは240Hz対応のウルトラワイドゲーミングモニター
- コスパに優れており3万円台で購入できるモニターではトップクラスの性能
- ゲームはもちろん、複数ウィンドウでのマルチタスクにも適しているが、細かい部分で不満も
この記事では、AMZFAST社が開発したウルトラワイドゲーミングモニター「AMZG34C5Q Pro」のレビューや使用感をご紹介します。
ご厚意で日本国内向け新製品発表会にもご招待いただき、現地での体験レビューについても触れていますので、あわせてご参照ください。

「UWQHD」「240Hz」「応答速度1ms」と高いゲーミング性能でありつつ、3万円台で購入できるすさまじいコスパのゲーミングモニターだ。
価格を抑えて湾曲ウルトラワイドゲーミングモニターが欲しいなら第1選択に入るクオリティだと思うぞ。正直、安すぎて疑ってかかってたのは内緒だ


AMZFASTとは
AMZFAST(アメイジングファスト)とは、「没入感のあるゲーム体験」と「高性能を重視」したゲーミングブランドです。多くのゲーミングモニター製品を取り扱っており、価格と機能によるコストパフォーマンスの良さから、多くの注目を集めています。
AMZFASTはどこの国のブランド?
AMZFASTは中国発のゲーミングモニターブランドです。中国有数のテレビ輸出企業であるExpress Luck Group傘下で、同社が長年培ってきたディスプレイ開発の豊富なノウハウを活かし、高品質ながらもコストパフォーマンスに優れたゲーミングモニターを製造しています。
ブランド名のAMZFASTには「Amazing(素晴らしいゲーム体験)」と「Fast(高速パフォーマンス)」という意味が込められており、モニターもその理念に沿って、ゲーマーに最高の体験を届けるために開発されています。



モニターの製造にはAI技術や自動化が駆使されていているという話だぞ。コストパフォーマンスが高いのはそういった企業努力の積み重ねなんだろうな
AMZFAST新作発表会イベント
今回、AMZFASTのご厚意により、日本国内向けの新製品発表会にご招待いただきました。会場は都内のRed Bull Gaming Sphere Tokyo。多くのゲーミングメディア関係者が集まり、活気のある雰囲気でイベントは進行しました。


イベントではAMZFASTの広報担当者が登壇し、AMZFASTというブランドの紹介に始まり、現在発売される製品の紹介や、今後国内で展開予定のゲーミングモニターについての紹介もされていました。
会場には現在ラインナップされている製品に加え、未発表のゲーミングモニターも展示されており、実際にゲームをプレイさせていただき性能を体験してきました。


特に一際目を引いたのが、49インチのウルトラワイドゲーミングモニター。その迫力は写真でも伝わるほどかと思います。


また、お土産としてAMZFASTオリジナルのトートバッグやマグカップ、ゲーミングマウスパッドもいただきました。



未発表のモデルもいくつか展示されてたけど、個人的に気になったのはOLEDモデルのゲーミングモニターだ。実際に体験させてもらったけど、発色はもちろんゲーミング性能も高く購買欲をそそられるモニターだったぞ。まだ価格は発表されてなかったけど、期待の1台だ
AMZFAST AMZG34C5Q Proの特徴|スペック


製品名 | AMZFAST AMZG34C5Q Pro |
---|---|
製品サイズ(幅 × 高さ × 厚さ) | 80.7 x 44 x 19 cm |
重量 | 5.3 kg |
ディスプレイサイズ | 34インチ |
パネル | 曲面VAパネル(1500R) |
解像度 | 3440×1440 |
リフレッシュレート | 240Hz |
応答速度 | 1ms MPRT |
入力 | HDMI × 2、DisplayPort × 2 |
Adaptive-Sync | 対応 |
スピーカー | 内蔵スピーカー有り |
AMZFAST AMZG34C5Q Proを一言でレビューすると、「ウルトラワイドモニター」と「ゲーミング性能」を両立した高コストパフォーマンスのゲーミングモニターです。
34インチ、解像度3440×1440の曲面パネルが採用されており、一般的なモニターよりも広い画角が特徴で高い没入感を味わえます。また、240Hzの高リフレッシュレートと1ms(MPRT)の応答速度も実現しており、FPSやレースといった高速な反射を求められるゲームジャンルでも遅延を感じずにプレイできます。
さらに、画面上にFPSやクロスヘアを表示する機能などゲームに便利な機能も揃っているのも嬉しいポイントです。
これだけの機能が揃っていながら、小売希望価格が37,999円と同スペック帯の中ではトップクラスのコストパフォーマンスを誇ります。
たとえば、同スペックの「KOORUI 34インチゲーミングモニター」ではAmazon販売価格が46,980円(執筆時点)ほど。約1万円に近い安さでコスト面を上回りつつも、優れたスペックでコスパを誇るのがAMZFAST AMZG34C5Q Proの魅力です。


AMZFAST AMZG34C5Q Proの同梱品


- DPケーブル × 1
- HDMIケーブル × 1
- ACアダプター
- AC電源ケーブル



DPケーブルとHDMIケーブル最初から2つついてくるのは地味に嬉しいな
AMZFAST AMZG34C5Q Proの実機レビュー
- 圧倒的な没入感の曲面ウルトラワイドモニター
- 240Hz/1msの高いゲーミング性能
- コントラスト比が高いVAパネル
- ゲームプレイをサポートする便利な機能
- 省スペースで邪魔になりにくいモニタースタンド
- スピーカー内蔵
圧倒的な没入感の曲面ウルトラワイドモニター


AMZFAST AMZG34C5Q Proをレビューするうえで欠かせないのが、曲面ウルトラワイドモニターによる圧倒的な没入感です。34インチ・解像度3440×1440のウルトラワイドパネルは、一般的な16:9モニターでは味わえないゲームに引き込まれるような感覚を生み出します。
特に高画質なゲームでは、ウルトラワイドによって視野が横に広がることで臨場感も格段に向上します。画面の端まで映像が広がるため、ゲームへの集中が高まり、ゲームの中にいるような体験を味わえるのが魅力です。
デュアルモニターで大画面表示をすると間にモニター間のベゼルが入ってしまいますが、ウルトラワイドモニターならその心配も必要ありません。
そのため、没入感を求めるゲーマーにはAMZFAST AMZG34C5Q Proがおすすめです。


一方で、競技性の高いゲームではその広さがデメリットになってしまうことも。フルスクリーンでゲームをプレイすると情報量が多くなり、UIも同時に左右に散らばります。情報を素早く確認するために視点移動が多くなり、人によってはプレイしづらさを感じるかもしれません。


とはいえ、ウィンドウモードでも設定できるため、「大は小を兼ねる」として競技性の高いゲームでも安心してプレイできます。



デュアルモニターを諦めていた人でも、これならギリおけるって人も多いんじゃないかな?複数ウィンドウ開いて作業するのにも向いてるし、ゲームじゃなくても十分使えそうな感じ
240Hz/1msの高いゲーミング性能
AMZFAST AMZG34C5Q Proのもうひとつの特徴とも言えるのが、eスポーツでも通用する高いゲーミング性能です。
リフレッシュレートは240Hzと非常に高く、一般的な60Hzモニターと比較した場合、1秒間に4倍ものコマ数を描写できます。描写が滑らかになることで「自分の視点移動が見やすい」「敵の動きを把握しやすくなる」など、対戦ゲームで圧倒的な優位性につながります。


また、AMZFAST AMZG34C5Q Proは1ms(MPRT)の高速な応答速度も実現しているのが魅力です。クリアな描写を実現しており、画面の残像感やブレを抑えられます。
特にFPSなど、一瞬の判断が重要な競技性の高いゲームジャンルでは応答速度が勝敗につながるほど重要な要素として注目を集めています。
コントラスト比が高いVAパネル
コントラスト比に優れたVAパネルが採用されているのも、AMZFAST AMZG34C5Q Proが持つ強みのひとつです。VAパネルは黒の表現力に優れており、明暗の差をハッキリと表現しやすく、暗いシーンでも細部まで表現できるメリットを持ちます。
- VAパネル:黒色が深く沈みメリハリのある映像表現で、迫力を求めるシーンにもおすすめ
- IPSパネル:広い視野角でどの角度から見ても色や輝度の変化が少なく、クリエイティブなシーンにもおすすめ
- TNパネル:安価なコストで応答速度の速いモデルを作りやすく、価格を重視する方にもおすすめ
- 有機ELパネル(OLED):画素自体の発光で優れたコントラスト&残像感の少なさを持ち、性能最重視の方におすすめ。ただし、ゲームのUIなどが焼き付いてしまうリスク&コストが非常に高いといったデメリットも(AMZG34C5Q Proと同スペックの有機ELモデルは14~18万円が相場)
一般的に安価なゲーミングモニターで採用されているTNパネルと比較して、AMZFAST AMZG34C5Q Proは黒の表現力に優れた「VAパネル」を採用しています。
明暗の差をはっきりと表現しやすい特徴があり、暗いシーンでも細部までくっきりと表現できるのが強みです。敵の発見が重要になる暗い画面描写があるようなゲームはもちろん、映画やアニメの視聴においても力を発揮します。



曲面パネルだからあまり気にならないけど、VAパネルは視野角が狭いから横から見たときの色の変化に弱いぞ。多人数で画面を見る、といった使い方にはIPSパネルのモニターがおすすめだ
ゲームプレイをサポートする便利な機能


AMZFAST AMZG34C5Q Proには、ゲーマーのパフォーマンスを向上させてくれる便利な機能も充実しています。


ゲーミングモニターにはおなじみの、クロスヘア(照準)表示機能は、ゲーム内の設定にかかわらず画面に照準を表示できるため、正確なエイムをサポート。クロスヘアの形や色も指定でき、AIモードを使うと、背景に合わせて見やすいクロスヘアの表示も行えるのが魅力です。
また、ソフトを使わずに画面上にFPS(フレームレート)を表示する機能がついているのも便利なポイントのひとつ。別途ソフトを使わなくとも、リアルタイムにフレームレートを表示できるため、設定の最適化やプレイ中の違和感の可視化に役立ちます。



一部のゲーム、特に競技性の高いゲームではハードウェアチートとみなされる場合がある。最悪の場合、処罰の対象になる可能性もあるので、使う前に規約はしっかり確認しよう
省スペースで邪魔になりにくいモニタースタンド


モニタースタンドが細く、邪魔になりにくいのもAMZFAST AMZG34C5Q Proが持つ特徴のひとつです。グラつかず大きい画面を安定して支えていつつも、机の上のスペースがあまり取られません。


また、チルト機能にも対応しています。モニターの上下の傾きを変えられるため、使用環境に応じて適切な角度でモニターを使用できるのも魅力です。ゲーミングチェアなど、普段のゲーム環境にこだわりを持っている方には嬉しい機能だと言えます。


とはいえ、高さの変更や左右方向の角度調節はできない点には注意が必要です。デスク環境にこだわりのある方には、モニターアームなどの併用をおすすめします。
なお、AMZFAST AMZG34C5Q Proは「75x75mmのVESAマウント」に対応。1500R曲率の曲面スクリーンのためM4×12mmのネジを活用し、最初は対角線上にネジ締めを行うのが推奨されています。



個人的には画面位置が少し低く感じるから、モニターアームかモニタースタンドを併用するのがおすすめだ
スピーカー内蔵
AMZFAST AMZG34C5Q Proにはスピーカーが内蔵されています。音質は正直なところ、本格的なサウンドを求める方には物足りないかもしれません。しかし、別途スピーカーやヘッドホンを購入する費用を抑えたい方には、嬉しいポイントだと言えます。



薄型モニターにおまけで搭載されている、と考えればまあいいかといったところ。モニターの性能をフルに使ってゲームを楽しみたいなら別途オーディオ機器を買うのを推奨するぞ


AMZFAST AMZG34C5Q Proを使って気になったポイント
- 応答速度表記がGtGじゃない
- フレーム部分に作りが甘い部分が見られる
- ボタンの操作感はあまり良くない
- せっかくのPBP機能が微妙
応答速度表記がGtGじゃない
AMZFAST AMZG34C5Q Proのレビューで気になったポイントのひとつは、応答速度がMPRTで計測されている点です。
一般的に、高速な応答速度を測る際には「GtG(Gray to Gray)」という測定基準が用いられます。GtGとは、中間色(グレー)から別の中間色へとピクセルが色を変える速さを示す指標です。液晶パネルの性能そのものを示す指標として広く使われています。
一方で「MPRT (Moving Picture Response Time)」とは、動く映像の残像の少なさを示す指標です。バックライトの点滅で残像感がどれだけ減っているかを示す指標で、ピクセルが色を変える速度(GtG)とは異なります。
つまり、MPRTは1msですが、「ピクセルが色を変える速度が1ms(GtG)」だと保証するものではありません。そのため、AMZFAST AMZG34C5Q ProのMPRT計測は「映像の残像感やぼやけを最小限に抑えられている」にとどまります。
リフレッシュレート(画面表示の更新)に間に合えば映像品質の低下は起こりにくいため、「240Hzモニター」では4.2ms(GTG)以下の応答速度があれば原則として大きな問題はありません。ただし、どのような色の組み合わせでも残像が発生するリスクを最小限に抑えたい場合は、「MPRT」ではなく「GtG」を重視する必要があります。



GtG表記じゃないのは気になったけど、実際にゲームをしてみても正直違和感はなかった。ただ筆者はFPSみたいなゲームジャンルをガチでやり込んでいるわけじゃないから、人によっては気にして見たほうがいい部分かも
フレーム部分に作りが甘い部分が…


個体差の可能性は高いですが、今回提供いただいたAMZFAST AMZG34C5Q Proの上部フレーム部分と画面の間にごく僅かな歪みがありました。
しかし、製品の使用自体にはまったく問題なく、気にならない程度です。万が一、こうした不具合があった場合でも交換対応していただけるので、この点は安心していいでしょう。



うわぁ~……こういうの気になっちゃうタイプだわ



調べたところ、湾曲モニターはその構造からどうしても起きてしまうケースは多いみたい!
AMZFASTさんからは、「製品固有のものではなく、サンプル機の輸送過程で生じた個別の事例」とのことで、すべての製品に発生するわけではないから安心してね!



レビューでも紹介した通り、製品の使用自体にはまったく問題ないし、気にもならない。レビューするから取り上げただけで、普段使用には問題ないだろう
ボタンの操作感はあまり良くない
AMZFAST AMZG34C5Q Proのレビューで気になった点のひとつが、物理ボタンの操作性です。単純にボタンが固く、モニターのメニューを操作するたびに指に負担がかかります。設定を変更するのに何度も押す必要があるため、ストレスに感じてしまいました。


ボタン上に表示されているアイコンが分かりにくいのも、操作性を悪くしている要因です。とくに、上下を操作するボタンの表記が「◀」と「▶」と表記されているため、直感的に操作できないのが気になりました。



自分のベストな設定見つけたらぶっちゃけモニターの設定なんていちいちイジらなくない?昇降デスクみたいに立ち座りしなくなるのと一緒だわ
せっかくのPBP機能が微妙


AMZFAST AMZG34C5Q ProにはPIP/PBP機能が搭載されていますが、ゲーマー目線で見た場合、非常に「おしい」と感じる出来でした。


PBP機能とは、1枚のモニターを2枚のモニターとして分割できる非常に便利な機能です。しかし、AMZG34C5Q ProのPBP機能では画面サイズが3種類しか選べないうえに、1:1比率以外はWindows側で正しく認識されず、適切な解像度に設定できない問題があります。


また、PBP機能を使うとフレームレートが最大60Hzに制限されてしまうため、せっかくのゲーミングモニターとしての性能を活かせないのもゲーマーとしては残念に感じるポイントです。これらの点から、ゲームでのPBP機能の活用は難しいと言わざるを得ません。



PBPが完璧に機能したらマルチモニターがない人でも擬似的に使えるからぜひともアピールしたいポイントだった。それだけにすごく惜しく感じる。後継モデルが出るならここを一番に改善してもらいたい



ゲーミングモニターとしての性能は落ちてしまうけど、デスクワーカーにとっては仕事とゲームを両立できるデスク環境がワンセットで用意できるのは魅力的かも!
電源が内臓じゃない
個人的に気になったポイントとして、AMZFAST AMZG34C5Q Proは電源が内蔵されていません。そのため、ACアダプターの接続が必要です。ACアダプターはある程度大きいため、配線がかさばってしまうデメリットがあります。
昇降式デスクを活用している私の環境では、少し邪魔に感じてしまいました。ACアダプターを置けるような、天板にクランプ固定できるケーブルトレーなどがあると便利かもしれません。
とはいえ、電源が内蔵されていないことは、本体の軽量化にもつながっていますし、これは完全に好みの問題かもしれません。





ACアダプターのサイズは大体マウスと同じくらいだな。個人的には結構邪魔に感じた
AMZFAST AMZG34C5Q Proの使用感レビュー|感想・評価まとめ


まとめ:AMZFAST AMZG34C5Q Proはゲーミング性能に優れた超高コスパのウルトラワイドモニター
AMZFAST AMZG34C5Q Proのレビューをまとめると、240Hz対応/応答速度1ms対応の高いゲーミング性能を持ちながらも高コスパの湾曲ウルトラワイドゲーミングモニターです。
「広い画面のゲーミングモニターが欲しいけど、コストは抑えたい!」という人にピッタリで、ゲームをプレイするのに欲しい要素が詰まっていながらもコストが抑えられたバランスの良い製品といえます。
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